体がすくむ冬こそ前屈を

■春に向かって蓄える自然界
冬の間は、自然界でも草木は枯れ、虫は地中にもぐり、動物たちも活動を控えます。それはまるで、春に向かって静かに蓄えているようです。

人間である私たちも思わず体をすくめ、体中の筋肉を硬くして寒さに耐えて生活をするようになります。東洋医学では、この時期はエネルギーの無駄遣いを控え、睡眠も多めにとることを勧めています。

 

■体内の流れをスムーズに
冬の寒さは、血管を収縮させ、血液循環を悪くします。手足の末梢部に十分な栄養がいかず、末梢部の組織や細胞の活動が不活発になり、熱を発生できないために冷えを感じると考えられています。

体内で水分が滞留すると、冬の寒さに呼応して、体感として冷えを覚えるようになります。そのため、体を伸ばして、水分の代謝を改善することが大切になります。

そこで、冬こそ前屈のストレッチをしましょう。

 

■腎経を刺激
前屈をすると、腎経という経絡が刺激されます。水分代謝のカギを握る経絡です。

また、前屈をすることで、脊柱が硬化するのを防ぐことができます。内臓を活性化するというメリットもあります。前屈では太ももの裏側を伸ばすこともでき、足腰を使いやすい状態に整えます。腰痛の予防にもなります。

加齢とともに体は硬くなります。運動不足だと、働き盛りの世代でも転倒しやすくなります。必ずしも激しい運動は必要ありません。前屈などの手軽にできるストレッチをすれば、動きやすい体になります。

 

■免疫力アップで風邪予防
ストレッチをするときは、深い呼吸をしましょう。空気を吸うときは、鼻から吸います。口呼吸になってしまうと、ウイルスが体内に直接入り込み、風邪などをひきやすくなります。また、だるく疲れやすかったり、仕事や勉強などの集中力が低下したりすることなども口呼吸が一因だと言われています。

インフルエンザや風邪にかからないようにするためにも、体全体を伸び伸びと動かすことは重要です。体をほぐしてエネルギーがよく流れるようになると、免疫力の向上につながります。

 
 

「前屈」