春は、冬の間に体にためこんだ毒素を排出する「デトックス」の季節です。一方で、異動や進学などでストレスを抱えやすくもなります。春の恒例である歓迎会や花見も今年は中止となったりして、「春なのになんだかスッキリ感がない」という人も多いかもしれませんね。今こそ腸を活性化して、健やかに春を過ごしましょう。
■目覚めの春
厳しい冬の眠りから目を覚まして、植物は芽を出し、動物が活動を始める春!この季節は、私たちの体内でも臓器が活発に動き出し、デトックスをしやすい時季です。その一方で、「解毒」の役割を担う肝臓などにも負担が掛かりがちです。花粉症やアトピー性皮膚炎といったトラブルは、肝臓の働き(肝機能)が低下することも関係しているといいます。
日本では昔から、春になるとセリやフキノトウ、ヨモギ、タンポポの葉など、ほろ苦い野草を食べる習慣があります。これは、冬に眠っていた体を活性化させるためです。実はこの苦みには、強肝作用があるとされます。解毒機能を促すことができるのです。先人の貴重な知恵の一つといえるでしょう。
■ストレスがたまりやすい
とはいえ、現代人にとって春はストレスを抱えやすい季節になっています。就職や異動、進学など、4月から新たなスタートを切り、その生活の変化で疲労がたまる「五月病」の季節が控えています。さらに、研修を終えた新入社員がなることが多いという「六月病」も問題になっています。体だけでなく、心のデトックスも必要です。
デトックスのカギを握るのが、腸です。腸は、私たちの免疫システムの中心となる臓器。細菌やウイルスなど害のあるものを排除するという働きがあり、全体の6割以上の免疫細胞が腸内に集まっているとされます。腸内環境のバランスが整っていれば、腸の免疫機能が高くなり、ウイルスや細菌などを撃退しやすくなります。
■腸のガスを取り除く
そこでオススメなのが、丹田たたきです。下腹部に位置する丹田を活性化して腹部の温度が上がることにより血行がよくなり、腸が元気になります。さらに、お腹の内側のインナーマッスルを刺激して、便を出す力も高めていきます。
肉の食べ過ぎやよくない食習慣により、食べたものが完全に排泄されず腸に停滞すると、便秘になったりしてガスが発生します。このようなガスが頭痛や肌荒れを起こし、内臓機能の活動を低下させ、老化を促進します。丹田たたきは、このようなガスを取り除き、腸の働きを本来の状態に戻すのに役立ちます。さらに、丹田にエネルギーが蓄積され、自信がわいてきます。
今月のおすすめ「丹田たたき」
■やり方
(1)足を肩幅に開いて立つ。
(2)ひざを軽く曲げ、こぶしを軽く握って左右交互に下腹を叩く。
肩、首、腕をリラックスさせ、下腹に少し力を入れて行う。
※叩く強さはご自身に合わせて調節してください。
少ない回数から始めて徐々に増やしていきましょう。
※無理せず、自分のペースで行いましょう。