主体的・創造的に 生きる力を育もう

日本の教育は、「知育偏重」からの脱却が課題になっています。

知識を詰め込むのでなく、社会を生き抜く力を育てよう、という動きが強まっています。中でも期待されているのは「体験活動」です。文部科学省は、自然教室や臨海学校のような体験活動によって、豊かな人間性を育み、自ら学び、自ら考える力を伸ばすことを推奨しています。

 

体験活動をしていく中で、自分自身とも対話する体験をすることになります。人間も自然の一部です。自分自身の体を感じ、生命を感じることにより生きる力が育ち、思い通りにならない状況に直面したときにも対応できる力がついていきます。

 

■何事も学ばないと不安?
私たちは学ぶことに慣れています。学んだ通りにしなければ、不安で、罪悪感をおぼえることがあります。

現代の暮らしは、いつも「学ぶ」ことが要求されます。パソコンやスマホの操作方法を知らなければ、社会生活もままならない。銀行や地下鉄を利用するときも、ある程度の知識が求められます。かつて誰もが気兼ねなく楽しんでいた「歌う」「踊る」といった娯楽についても、あえて専門家から学ぶ必要があると考える人が増えています。

 

■生きる術は、自然に身についている
でも、私たちの生命維持に必要な行為は、変わることなくシンプルです。呼吸をしたり、水を飲んだりするために、わざわざ学ぶ必要はありません。生命と直結している心拍、血圧、体温調整といった機能は、私たちが気にしなくても勝手に働いてくれます。息を吸いながら体に感謝し、息を吐き出しながら天に感謝すると、息は自然に深く軽くなります。そんな呼吸を続けるうちに息をしているという意識がなくなってしまいます。この自然な状態が、創造性の源泉です。創造性を引き出すために、学ぶ必要はありません

 

■生命のリズムに共鳴する
まずは、息をし、食べて、寝るように、簡単でベーシックなことから始めてみましょう。学ぶのをやめて生命のリズムに耳を傾け、自分の内側を観察してみましょう。どんな風に息をしているのか、心臓がどんな風に動いているのか、感じられますか?まったく気にとめなくても休みなく動いている生命に感謝し、生命のリズムに共鳴してみましょう。

 

■創造的な人生の始まり
学びは何かを決定するときに必要なのではなく、自分が決めたことをやり遂げるために必要なのです。よくわからない、学んでいないというのを口実にして、本当に大事なことを先延ばしにしていませんか?学ばなければならないという考えから自由になるとき、自分が本当に願うことを選択でき、創造的で主体的に社会を生き抜く力が育っていきます。