腰を上げて腸運動
脳教育のベーシックエクササイズ「腸運動」をご紹介します。
お腹をふくらませたりへこませたりするだけなので方法はとてもシンプル。
時間や場所を問わず、いつでもどこでもできます。
ところがその効果は、便秘解消、血行促進、疲労回復、脳活性化、アンチエイジング、リラックスなど、多岐にわたります。
人間は両足で立って生活しています。このため、重力によって内臓が下がりやすいです。下垂まではいかなくても大腸と小腸がだんだんと弾力を失いがちです。その結果、腸の壁にはたくさんのひだが生じ、そのひだの間に宿便が溜まりやすくなっています。
腸運動は下腹を動かして、硬くなった腸をほぐすためのエクササイズです。腸の蠕動運動を活発にして、腸をきれいにし、頭をすっきりさせることを目指します。
現代人の多くが便秘に悩んでいます。
便秘解消には、心のリラックスが大きなカギを握ると言われています。腸の働きは自律神経と深い関係があり、自律神経のうち興奮系の交感神経が優位だと、ぜん動運動が鈍くなります。リラックス系の副交感神経が優位だと、便が出やすくなるとされます。仕事でストレスに追われているとき便秘になりやすいのはこのためです。
腸運動をすることで、心をリラックス状態へと促すことができます。
また、腸という臓器は体の抵抗力とも深くかかわっているとされます。腸内環境が整っていないと、さまざまな不調や老化を引き起こしやすいといいます。腸がどれだけ若々しさを保てるかが、健康寿命を左右すると言う専門家も多いです。
内臓には体全体に流れている血液の3分の2が集まっています。腸運動でお腹を大きく動かせるようになると、腹部周辺に集まっている内臓も動きます。すると、内臓にたまっていた血液が全身に循環します。この結果として、体温が上がります。体温も健康の大事なポイントです。
腸運動は、下腹部をへこませたり、膨らませたりする簡単な運動です。腹壁を引き上げたり押し下げたりして、腸を刺激します。へこませるときは、背中に腹壁があたるような気持ちで行います。同時に直腸(肛門の手前)の筋肉に力を入れます。少ない回数から始め、慣れてきたら回数を増やしていきます。
腸運動は立った姿勢でもできます。立ちながらの場合は、膝をやや曲げて、つま先を内側へ少し向けた姿勢で行います。
<腰を上げて腸運動>
1.仰向けに寝た状態で、足を肩幅に開く。そこから両膝を立てて、お尻を浮かせる
2.両手の親指と人差し指で三角形を作り、下腹の上に軽く乗せる
3.下腹を膨らませたりへこませたりを繰り返す