なぜ人は、詩や短歌・俳句を詠むのでしょうか。
動機の一つは、感情を浄化するためでしょう。人間は昔から、歌を詠むことで「つらい」「悲しい」「苦しい」といった感情と向き合い、その呪縛から自らを解放してきました。今でも感情を歌で表現することで「気持ちが軽くなる」という人は多いです。
日本人は四季の自然風景や心の状態を和歌に詠むことで、悲しみや痛みなどの負の感情を切り替えてきたといわれます。
歌には心を浄化する、という役割があったのです。
■自信喪失の時代
どんな人でも、なんらかの形で不安を抱きながら生きています。ましてや現代は超ストレス社会とも言われます。
ストレスによって、怒りや悲しみといったネガティブな感情が増幅しやすい環境にあります。
子どものころからの受験競争、そして社会人になってからの経済的な競争の繰り返しによって自信が失われ、心の軸が揺らぎやすいという面もあります。
ストレスや自信喪失で負の感情にとらわれてしまったときは、いまの気持ちを書いてみたり、整理したりすることで、冷静になり、問題点が見えてきます。
■瞑想で感情浄化
瞑想やブレイン体操も、感情をリセットするために効果的です。
頭の中の情報に流されるのでなく、感情の持ち主としての主体性を取り返せば、柔軟で多面的な思考ができるようになります。
感情が自分なのではありません。感情は自分でつくったものです。
ストレスやネガティブな感情をクリアにするプロセスを積み重ねていくことで、自己評価がどんどん高まり、豊かな自己肯定感が育まれるようになります。これが、日常でのストレス耐性を高めることにもつながります。
■ストレスと体の健康
心のストレスは、生活習慣病など体の健康と密接に関係しているといわれます。
ストレスは、血中のアドレナリンを上昇させ、血圧も上り、心拍数も増加します。体の防御・免疫機能を低下させ、ホルモン系、神経系、臓器系、すべての疾患につながるといわれています。
ライフサイクルに応じ、体の不快感が泣き叫びにつながる乳児期から、死への不安からうつ病になる老年期まで、ストレスはさまざまです。離婚や昇進で、それまで身につけた適応力では対処できずに、メンタル面のトラブルに陥るケースも増えているといいます。
ストレスが緩和されると、白血球の数値が回復するという実験データがあります。
ストレスを長続きさせず、適度に発散させることが大事です。同時に、ストレス耐性を身につけるために、まず自分にもストレスがあるという自覚を持つことも、現代人には大切だといわれます。
■地球市民としての行動
人間のウェルビーイングは、自然や地球環境とも密接な関係があります。
緑がなくなったとき、文明も消えます。現代では人の多いところほど緑がなくなっていますが、それは人間が幸福の種を自ら奪っていることを意味します。
社会や地球をよくしよう、平和にしようという想いは、とても創造的で、人間本来の本能にも組み込まれているものでしょう。そんな想いに気づき、行動にうつすことで、強い「つながり」を感じられるようになるはずです。
意識が目覚めると創造力がわき、自分や環境に合う方法を思いつきます。自分も周りの人も地球もウェルビーイングへと導いてくれることを実践していくのが地球市民ムーブメントです。