冬の省エネ対策

個人や家庭で取り組める冬の省エネ対策を紹介します。寒いときでも様々な工夫をすることで、エネルギーの無駄遣いを減らすことができます。スマートな節電ライフで地球の元気を取り戻しましょう。

資源エネルギー庁「エネルギー白書2023」によると、家庭で年間に使うエネルギーの割合は、給湯28・7%、暖房26・3%、厨房9・7%などが上位を占めています。意外なことに、冷房は2・4%にとどまります。つまり、お湯を使う機会が増え、暖房が欠かせない冬こそが、家庭の省エネにとってたいへん大事な時期だと言えます。

 

■暖房
まずはエアコン。あたためられた部屋の空気は上昇するので、エアコンの吹き出し口の向きは、上ではなく下に向けるほうが、省エネの観点からベターです。同時に、吹き出し口の真下に物を置かないのもコツです。

エアコンのフィルター掃除は省エネに直結します。フィルターが目詰まりしていると、いくら稼働させてもなかなか室温が上がらず、電気を余計に使ってしまうからです。機種や使用状況にもよりますが、2週間に1度の掃除が望ましいとも言われます。

使用前にフィルターを取り外し、掃除機でほこりを吸い取ります。汚れが残る場合は、中性洗剤を溶かしたぬるま湯に布やスポンジを浸してこすります。洗った後は陰干しして、しっかり乾燥させます。1年間掃除をしていないフィルターに比べて、電気使用量を25%削減できるとも言われています。

また、エアコンは、設定温度を上げれば上げるほどエネルギーを使うことになります。過度に上げすぎないように心がけましょう。

 

◆着込む、ひざ掛け
衣服を着込むと、体感温度が上がり、暖房の使用を減らすことができます。上昇幅はカーディガンで2.2度、ひざ掛けで2.5度、ソックスで0.6度になるという実験もあります。

このほか、エアコンの機種によっては、風量を「弱」よりも「自動」に設定した方が節電につながるといいます。

◆カーテン
暖気を逃がさないことも大事です。とくに対策をしたいのが窓。外気と接している窓は室内の熱を逃がし、また周囲の空気を冷やしてしまいます。外気の侵入と室内の熱が逃げないように工夫しましょう。

厚めで床につくカーテンを使うのがコツ。窓の下にタオルを丸めて置くのも良いアイデアです。

 

◆断熱シート
注目したいのが断熱シート。特殊なポリエチレンシートなどで窓ガラスと部屋の間に空気の層を作り、熱が逃げるのと冷気が伝わるのを防ぎます。暖房の利きが良くなるのが感じられるでしょう。

断熱シートには、窓やドアのすき間に張って気密性を高める「すき間テープ」や、床付近の冷気の通り道を止めるパネルなど、使途に応じた商品もあります。

ただ、気密性の高い部屋で暖房機器を使う場合は、室内の酸素が不足しがちになります。一酸化炭素中毒を引き起こす危険があるので、ときどきは換気をしましょう。

断熱シートは、電気カーペットの下に敷いても便利です。熱が床に逃げないので、スイッチを切ってもあたたかさが長持ちします。

 

◆エアコン以外の暖房器具も
エアコン以外の暖房器具も上手に活用しましょう。

ファンヒーターやストーブ類を窓の近くにおくと、窓付近の冷たい空気があたためられて循環し、足元に冷気がたまるのを防ぎます。ただ、カーテンや燃えやすいものに近づけないように注意しましょう。

冬場に外出先から帰ってくるとき、冷えた体を早くあたためようと、室内の暖房を高めに設定する人もいるでしょう。玄関にハロゲンヒーターを置いたりして、帰宅時に1分間ほど体をあたためれば、部屋の温度を上げなくても冷えは和らぎます。

このほか、手軽な暖房器具としては湯たんぽがあります。首や手首、足元などをあたためるだけで、あたたかく過ごすことができます。

 

◆節電タップ
電気を使う暖房器具については、コンセントに、スイッチひとつで家電の待機電力をカットする「節電タップ」を付けるといいでしょう。操作はスイッチひとつで簡単。古い家電では待機電力だけで1割も消費する場合もあるといいます。こまめにオフにすると効果は大きいでしょう。

 

◆同部屋で一家だんらん
家族がなるべく同じ部屋で過ごせば、暖房と照明の利用を減らすことができます。家族のきずなも強まります。

■風呂
冬はシャワーだけで済ませる機会が減り、夏よりも入浴時間が長くなります。熱い風呂が好きな人もいるでしょう。

給湯温度を上げれば上げるほど、エネルギーを消費してしまいます。東京ガスによると設定温度を40℃にするのと42℃に上げるのでは消費するエネルギーに約9%の差が出るといいます。

これまで設定温度を気にしたことがなかった人は、我が家の湯温が必要以上に高くなっていないかを確認してみるといいでしょう。

◆こまめにふたを
湯船はこまめにふたをしましょう。湯船用の保温シートで、中ぶたをしておくと、お湯が冷めにくくなります。

いずれにせよ、一度沸かした湯の温度をなるべく下げない工夫が大切になります。ぬるくなった風呂の湯温を上げるために追いだきする回数が増えれば増えるほど、そのぶんエネルギーを消費するからです。

一番望ましいのは、家族がなるべく間を空けずに入浴することでしょう。追いだき、足しを控えると、それだけ節約になります。年末年始に大勢の家族が集まるときこそ、お風呂にためたお湯の保温の工夫が大事になります。

 

◆「ヒートショック」にも注意を
冬は居間と風呂場などの寒暖差が体への負担となって、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす「ヒートショック」になりやすいです。

特に高齢者は、風呂場まわりの暖房費を過度に節約するなど、体に負担がかかる無理な対策は禁物です。家の中の温度差を減らして健康に配慮した生活を目指しましょう。

ヒートショックの防止策としては、脱衣所や浴室、トイレに暖房器具を設置することなどがあります。入浴直前に浴室をあたためるとよいでしょう。衣類を脱ぐ前に風呂のフタを開けたり、シャワーをかけたりするだけでも、部屋をあたためられます。

脱衣所の暖房器具としてはハロゲンヒーターなどが人気です。脱衣所があたたまりにくい場合は、浴室の洗い場で着替えてもいいでしょう。

一人暮らしなら、寒い時期だけは公衆浴場などを利用するという手もあります。

■トイレ
冬場の省エネの盲点になりやすいのが、トイレです。温水洗浄便座は、多くの人が考える以上に電気を消費しがちです。

便座暖房や洗浄水の温度を低めにするのがコツ。使わないときはふたを閉めるのも節約につながります。

■冷蔵庫
年末年始は食料品の買いだめも増えがちですが、なるべく冷蔵庫にはモノを詰め込みすぎないように注意しましょう。設定を「強」から「中」などに変えるのも効果的です。

無駄に開閉して冷気を逃すことがないように心がけましょう。

■炊飯器や調理器具
炊飯器の保温は多くの電力を消費します。冷えたご飯を電子レンジで温め直した方が、ジャーで保温したよりCO2削減になると言われています。

調理の際に、ガスコンロは、炎が鍋底からはみ出さないように調節しましょう。1日3回、水1リットルを沸騰させる場合、強火を中火にすればCO2削減になります。鍋の水滴をふき取ってコンロにかけるようにしましょう。

■照明器具
日照時間は夏より冬の方が短く、部屋の照明をつけている時間も長くなる傾向があるので、不要な照明のつけっぱなしなどには気をつけましょう。

かさの反射板をふいて明るくすると、省エネにつながります。大掃除の際は、照明器具のシェード(かさ)内側の反射板もふきましょう。水ふきだけでも光の反射率が良くなります。

■テレビ
年末年始は、テレビの視聴時間長くなるという人も多いでしょう。テレビの主電源をこまめに切ると省エネになります。画面の明るさや音量を調節しても効果があります。

テレビは出荷時に明るさが最大に設定されている場合も多いといいます。手動で少し暗くすれば消費電力が減ります

■公共交通
年末年始などのお出かけにも、なるべく自家用車よりバスや鉄道、自転車を利用しましょう。