地球市民ムーブメント「人間性回復」

調和とバランスのとれた、純粋で健康な状態

 

万国博覧会(万博)が2025年に大阪で開催される予定です。万博は19世紀に始まりましたが、当初は、産業革命の成果である工業製品を各国が展示するのが主な目的でした。
世界を植民地化していた欧州主要国が中心となって推進しており、アジア、アフリカの展示もありましたが、植民地を紹介することで列強の威勢を示すのが主眼だったようです。

当初の万博には、技術や産業の発展が人類の幸福につながるという楽天的な思想がありました。
また、ナショナリズムを誇示する場でもありました。
1889年パリ万博の記念碑エッフェル塔は、この時期の万国博のシンボルだと考えられています。

しかし、第一次、第二次世界大戦などの戦争や20世紀後半から顕著になってきた地球環境破壊への反省をふまえ、
万博でも「人間性の回復」がテーマとして掲げられるようになってきました。
各国が最新の技術を展示するだけでは不十分で、戦争や環境破壊を防ぐことにつながるような「人間の真の幸福のための知恵」「地球のための技術」が求められています。

 

ECOの地球市民ムーブメントのひとつに「人間性回復」があります。
人間性回復とは、人間の本来の姿を回復することです。調和とバランスのとれた、純粋で健康な状態です。
あらゆる問題は本来の自分を失ってしまったことからきています。
個人の問題も社会の問題も地球の問題も、人間性を回復することで解決できると考えます。
ECOのすべての活動の基盤に人間性回復があります。

 

世界保健機関(WHO)の憲章では、健康の概念を「病気ではないとか、弱っていないということではなく、
肉体的にも精神的にも、社会的にも満たされた状態」と定めています。

人間はこれまで、健康の概念を個人的で肉体的な次元でのみ捉えてきました。
しかし、生命に対する理解が深まれば深まるほど、健康は体と心と意識を統合する概念へと深まります。
同時に個人から社会へ、人類全体と地球全体を含む概念へと幅広くなります。

 

私たちが目指すのは、健康の「深さ」と「幅」です。
「深さ」は、肉体から心、さらに意識への深化。「幅」は、個人から社会、そして地球(人類)への広がりです。
健康の深さが深まり、幅が広がっていくこと。それが、人間性を回復することです。

人間性が良くなると、周りの人との関係が良くなり、自分だけでなく他の人の役に立ちたいという気持ちが強くなります。
国、人種、宗教、思想の境界を超え、人間性を備えた地球市民が増えれば、きっとより良い世界になっていくはずです。