「サステナ疲れ」しないために

サステナビリティ活動は、長続きをさせることが大切。そのためには、無理をせず、楽しみながら取り組むのがコツです。「自分を犠牲にして地球にいいことをするのではなく、自分を大切にして自分にも地球にもいいことする」という意識で続けていきましょう。「Love my self, Love my earth」の精神です。

 

■関係がギスギス
環境問題には人並みに関心があり、何かした方が良いとも感じている。だけど、「あれはだめ」「こうでなくちゃ」と上から目線で言われると、反発したくなる人も多いです。

いくら正論でも、ストイックさを押し付けすぎると、多くの人を「私には無理」と遠ざける結果になり、サステナビリティ活動が広がりにくくなる面もあります。家族や親しい友人であっても、協力を求め過ぎると、関係がギスギスしてしまいます。

環境問題に熱心な一人が百歩進むよりも、百人が一歩前に進む方が、効果が大きいと言われます。まずは自分が楽しんで省エネ生活を実践することで、自然に周囲に広まっていく、という流れをつくりたいですね。

 

■ポジティブな発想で
自分の発想を柔軟にすることも、長続きには大事です。

例えば、「ゴミが増えるから洗剤は詰め替え用にする」と考えると長続きしにくいですが、洗剤用におしゃれな陶器製ボトルを買えば、自然と詰め替え用を使うようになります。

ゴミを減らせば、ゴミ捨てに行く回数や手間が省けるといったようなズボラな動機も、実は結構大切。生ゴミを処理しようと庭でコンポストを始めたり、ペットボトル飲料はできるだけ買わない、残り物はラップを使う代わりに保存容器に入れて冷蔵庫にしまうなど、エコ的な工夫をすることは、実は自分自身にもメリットが大きいことなのです。

 

■ゴミ減らしは芋掘り
よくゴミ減らしは芋掘りみたいなものだと言われます。まず、ゴミ分別のルールを守る。それができたら、例えば、買い物袋を持参する。無駄なものを買わないよう、もらわないように努力する。芋掘りで芋がずるずる出てくるみたいに、少しずつ、できることをすれば、ゴミはどんどん減っていきます。

自分を義務感で縛らず、長続きするやり方を工夫すること。日々の工夫が積もり積もって、気がつくと大きな変化になります。肩ひじ張らずにできることをする「身の丈」の発想がここでも大切になります。

 

■節約の実益を感じる
家庭での節約といえば、電気、ガス、水道などの「光熱費」も欠かせない取り組みです。二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出を抑える省エネルギーにおいて、私たちの一人ひとりの役割は大きいです。

とりわけ物価上昇が著しい昨今、光熱費削減は、実益をもたらします。電気代から節約をスタートし、水道、ガスへと広がっていけば、家計に大きなプラスになります。風呂の残り湯をトイレに流したり、なべを火にかけるときは中火以下にしたり、様々な取り組みを行えば、一か月の光熱費を数千円減らすことも可能です。その積み重ねが温暖化抑止にもつながります。

 

■みんなの連携プレー
何事もそうですが、急にあれもこれもと始めても長続きしにくいです。省エネは小さな努力の積み重ねです。「古紙を利用したトイレットペーパーを買う」から、「省エネ型、廃棄後のリサイクルを考えた製品を買う」「自宅に太陽光発電設備を取り付ける」まで、選択肢はいくらでもあります。

クリーンエネルギー一つをとっても、初めから大規模な太陽光発電をしなきゃとか考える必要はないでしょう。ソーラーカーの模型を作りながら子どもとエネルギーの話をするだけでもいい。小さな太陽光パネルでも、数が集まれば量産効果で価格も下がり、もっと普及するでしょう。次の一歩のきっかけにもなります。サステナ活動はみんなの連携プレーなのです。