便利な現代を生きる私たちは運動が不足し、筋肉が衰えがちです。45歳を過ぎると、筋肉量が1年に約1%ずつ減っていくとされます。さらに、70歳を超えると筋肉が全盛期の7割以下になるのだとか。最も効果的な筋トレと言われる「スクワット」で、若返りとダイエットを成功させましょう。
■健康づくりの王道
全身の筋肉のうち、下半身が占める割合は60~70%にのぼります。特に太ももにある「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」は人間の中で最も大きい筋肉。ここを鍛えるのは、健康づくりの王道です。
大腿四頭筋は、立ち上がる際や歩行時に使います。とても大事な筋肉ですが、放っておくと衰えやすいです。弱くなると、関節に負荷がかかり軟骨の摩耗が進んでしまいます。ロコモや寝たきりを予防するためにも、スクワットで大腿四頭筋の力を維持することが非常に大切です。
■肥満予防に効果的
筋トレには様々なメリットがあります。筋肉が増え、筋肉維持に使うエネルギーが増すと、代謝がよく太りにくい体質へと変わることができます。脂肪の分解を促す物質も筋肉から分泌され、肥満予防やダイエットにも有効です。日常の動作が楽になり、生活の質(QOL)も向上します。
さらに、トレーニング時に筋肉から放出される乳酸などが脳を刺激し、成長ホルモン分泌が増します。睡眠が改善し、ストレスによるダメージの修復力も向上します。その結果、「ホルモン年齢」と「神経年齢」が若返ります。骨や関節が筋肉で保護され、転倒や骨折のリスクも減ります。
■サルコペニア
筋肉量の減少は「サルコペニア」と呼ばれます。ギリシャ語で筋肉を意味する「サルコ」と、減少を意味する「ぺニア」を組み合わせた造語です。1980年代後半に米国の研究者が提唱しました。超高齢化が進む日本では、とりわけ注目されているテーマです。
■努力すれば結果が
これまでは、老化に伴って筋肉や筋力が衰えることは「仕方ない」と考えられてきました。しかし、適切な対処をすれば改善ができることがわかってきています。筋力がだいぶ落ちてしまった人も悲観することはありません。コツコツと努力すれば、効果は必ず表れます。
年1%の筋肉委縮を防ぐには、週2日以上の筋トレが必要だといいます。「まだ先のこと」と思える30代、40代の人も今からしっかりと筋力トレを始めておきましょう。
今月のおすすめ地球市民1分運動
「スクワット」