脳の生産性を高める6つの方法

脳は筋肉と同じで「刺激」と「安静」を与えてあげることが大切です。刺激があれば脳は成長します。また、適度に休めることで脳の機能が回復します。脳の働きを良くして、生産を高める6つの習慣を紹介します。

 

(1)創作活動

絵を描いたり、スケッチをしたり、手芸をしたりといった創作活動をすると、脳が元気になります。クリエイティブな活動は、物事に対するイメージをふくらませるため、想像力の向上につながります。神経伝達物質であるドーパミンが放出され、感性が研ぎ澄まされ、集中力も高まります。楽器を弾いたりして音楽を楽しむことも、同じような効果が得られます。音楽家などの芸術家の脳は、普通の人に比べて小脳が発達している傾向があるといいます。勉強をする前に創作活動をするのもおすすめです。

 

(2)利き手でないほうの手や指を使う

脳を鍛える良い方法は、慣れていないことをすることです。例えば、利き手でないほうの手や指を使うと、たいへん効率よく脳を刺激できます。

私たちの脳は、無数に張り巡らされたネットワーク経路に電気信号が行き来することで、情報のやり取りをしています。同じことばかりしていると、その信号の経路が短縮されていきます。最初は歩くのが困難だった山道でも、多くの人がそこを通ることによって道ができ、歩くのが容易になるのに似ています。

信号経路が短縮されると、経由する神経細胞の数が少なくなり、パターン化してしまいます。これが「慣れによって脳がパターン化されている状態」です。効率が求められる場面ではパターン化されていると非常に便利ですが、毎日そればかりだと、マンネリになり脳のバランスを欠いてしまいます。

利き手ではないほうの手や指を使うと、脳がいままでにない新しい経路を開拓しようとします。これが脳への刺激になります。あなたが右利きだったら、左手で字を書いたり、歯を磨いたり、パソコンのマウスを動かしたりしてみましょう。

 

(3)バランスの良い食生活

食生活のバランスも大切です。脳に必要な栄養を適切に与える必要があります。脳に良い食べ物には、ブロッコリー、魚の油、ブルーベリー、ナッツ、ダークチョコレート、全粒穀物などがあります。絶えず脳を目覚めさせて良い食事を補給してあげるためにも、これらの食材を台所にキープしておきましょう。

特にオメガ3脂肪酸、抗酸化物質、その他のビタミンやミネラルが豊富に含まれているものは、記憶力を高め、気分を改善し、脳の老化を防ぐのに役立ちます。オメガ3脂肪酸のうちのEPAやDHAは、サケ、マグロ、マスなどの魚やカニ、ムール貝、カキなどの甲殻類に含まれています。

野菜が不足すると、ビタミンやミネラルが足りなくなり、脳に悪い影響を与えます。脂肪や動物性たんぱく質の取りすぎにも注意しましょう。肉類の飽和脂肪酸は血流を悪くし、動脈硬化や脳卒中の原因にもなります。

 

(4)昼寝をとる

昼間に短い仮眠をとることも、脳の生産性を高めるのに役立ちます。「パワーナップ」(power nap)と呼ばれ、脳の機能を回復させる方法として注目されています。スペインには昼間に長い休憩をとる「シエスタ」(13:00~16:00)という習慣がありますが、シエスタのような時間にパワーナップを行うのが理想的です。脳の覚醒度を確実に高めるために、パワーナップは20~30分間までにしましょう。それ以上長くしてしまうと、かえって疲れを感じてしまうことがあります。

 

(5)新しいことにチャレンジ

あなたの脳は新たなことに適応するようにできています。変化に対処する機能が備わっているのです。日常生活に変化が起きたり、何か新しいことに挑戦したりすることで、脳に新しいネットワークが形成されます。通勤・通学の際にいつもと違う道を歩いたり、日常に新しいルーティンを追加したり、今まで試したことのない新しい趣味に挑戦してみてください。

 

(6)社会とつながる

人と会って、話したり聞いたり、笑ったりといった行為は、だれもがごく自然に行っていることです。こんな日常的な行動の中でも、脳は活発に動きます。人と接することは、最も簡単にできる脳のトレーニングです。人のコミュニケーションをとるとき、私たちは相手の状態や周辺の環境をごく自然に観察し、対応します。このプロセスの中で脳がまんべんなく使われます。ストレスの軽減にもつながります。