オフィスで一日中机に座っていると、気づかないうちに肉体に大きな負担がかかっていることがあります。首、背中、肩、腰が痛くなって、ようやくその負担の重さに気づきます。メンタル面の影響も無視できません。プレッシャーを抱えながらデスクワークを長時間続けていると、いつの間にかストレスが脳や心をむしばんでいるかもしれません。
仕事の間に1分だけでも運動をすると、ストレスの負担が軽くなります。運動は脳に様々な影響を与えると言われています。その一つに、脳下垂体からベータ・エンドルフィンと呼ばれるモルヒネに似たホルモンが大量に分泌される、という現象があります。ベータ・エンドルフィンは陶酔感や精神的ストレスの解放につながるとみられています。マラソンのゴール時の分泌量はスタート時の10倍以上と言われます。
運動は仕事の邪魔ではありません。仕事の励みになり、頑張りがきく気力、体力を養うものとして、ぜひ習慣にしたいです。手軽に行える割には、ストレス解消や脳活性化に役立つと注目されるブレイン体操を紹介します。いずれも、仕事の合間に簡単に行えます。
■任脈ほぐし
東洋の伝統的な健康法の一環で経絡チェックをするときは、肝・心・肺など臓腑の名前を持つ十二経脈と任脈・督脈の計14の経脈の状態を見ます。これらの回路は全身に行き渡っていて、その異常を解消してやれば、さまざまなトラブルを避けることができると考えられています。
このうち任脈とは、唇下のツボから会陰まで体の前の中央を流れています。大きなストレスを受けると、任脈がつまり、消化不良になったり、胸がくるしくなったりすると言われています。
この任脈を整えるのが、ブレイン体操の「任脈ほぐし」です。足を肩幅に開き、握りこぶしを作り、両手を「山」という形になるようにします。この状態から、顔を正面に向けたまま上半身を左右にねじります。胴体を軸にして、山型になった両腕が半回転を繰り返すイメージです。
■スクワット
スクワットは最も基礎的でかつ効率の良い筋トレです。大きな筋肉が集まっている脚とお尻を鍛えます。
両足を肩幅あるいはそれ以上に広げた状態で立ち、お尻を後ろに引きながらひざを曲げていきます。このとき、かかとがつま先より前に出ないように注意しましょう(お尻を後ろに引くことが大事です)。足の向いている方向と、ひざが曲がる向きを同じにするのもポイントになります。
■腸運動
腸運動は、手を下腹に軽くのせて、お腹をへこませたり、膨らませたりする動作を繰り返します。終わったら、お腹を時計回りの方向になでます。