ときどき自分がつまらない存在に思えたりすることはありませんか。
そんなとき、大事になるのが「Love myself」です。
自分を愛し、いたわる、Love myselfは、健康、幸せ、平和といったかけがえのない価値を実現するための原動力になります。
■自分だけの尊い輝き
商業広告やマスメディア、SNS等によって提示される「幸せ像」「リア充像」は、どこか画一的なものになりがちです。体がスリムで、高学歴で経済力があって、素敵なパートナーに恵まれていて……。そんな杓子定規なイメージが崇められ、一人ひとりの自分らしさが軽視されがちです。
でも、それぞれの個人が持つ輝き方は千差万別であり、その尊さは無限です。人はだれでも、生まれ持った良いエネルギーや才能、力を内在化させています。その力を信じ、素直に受け入れる。それが、Love myselfです。自分自身を好きになり、自尊心(セルフ・エスティーム)や自己肯定感を高める行為です。
■体をいたわる
私たちの体には、調和とバランスを保つための様々な装置が備わっています。体温、血圧、血糖、心拍数などが高すぎたり低すぎたりしないように調節する恒常性維持機能、細菌やウイルスから私たちを守ってくれる免疫機能などがその例です。
何らかの形でバランスが崩れそうになったとき、体は私たちにサインを送ります。そのサインは、筋肉の緊張、疲労、だるさ、無気力など様々な形で現れます。これらのサインをキャッチし、体をケアしてあげる必要があります。
Love myselfの意識がなくなると、体から送られたサインを見逃してしまいます。また、忙しいことを理由に無視してしまったりします。首や肩がこっていても我慢して、一日中パソコンの前に座る。胃腸の働きが弱っているのに、暴飲暴食をする。自分への愛情がないと、体も心も粗末に扱うようになります。
■「利己」が「利他」になる
自己愛というと、利己的な言葉に聞こえるかもしれません。しかし、食べ過ぎたら食事を減らし、栄養が足りなければ補い、疲れがたまっていたら休息や睡眠をとる――。そんな当たり前なことを実践する土台となるのは、ほかならぬ自己愛です。
人は皆、自らの利益を追求します。それ自体は悪いことではありません。大事なのは、利益の範囲です。自分の小さなエゴだけを考えるのは、狭い利己主義です。そして、自分だけにとどまらず、より大きな利益を実現しようとするのは、広い利己主義であり、利他と同じです。
自分自身を愛せれば、他の人も愛せます。自分をケアするのと同じように周りの人をケアできます。地球に対しても同様です。自分を本当に大事にできる人は、私と地球がひとつにつながっていることが自覚でき、自然や環境を大切にできます。
■自己犠牲よりセルフケア
これまで自分をないがしろにして、社会や組織の歯車になりきることでアイデンティティーを保ってきた人は少なくないと思います。20世紀型の競争社会では、自己犠牲こそが美徳と信じ込んでしまいがちでした。
でも、自己犠牲ばかりでは、自分も周囲も明るさを保つことができません。忙しい日常でほんのひととき立ち止まり、自分にとってほんとうは何が大事なのか。何が自分にとって心地よいのか。体や心と向き合って感覚を研ぎ澄ませましょう。つい後回しにしてしまいがちな自分への愛着を回復しましょう。それが真のセルフケアの第一歩です。
■自分を褒める
毎日、自分を褒めてあげましょう。褒めるのが難しいと感じるなら、それは自分に課しているハードルが高すぎるのかも知れません。あるがままの自分を無条件にOKと受け止めることが大切です。
人間はAI(人工知能)よりはるかに優秀で、創造的です。ご自分の感覚を信じ、心身と対話をしながら、笑顔で楽しく過ごしましょう。そうすれば、心の穏やかさや活力をいつも得ることができます。その活力を周りに波及させることで、やさしい社会の礎の一つになることができるでしょう。