新しい「地球市民文化」の創造

脳の力を最大限に引き出すためには、脳を自分のためだけに使うのでなく、周りの人、社会、地球のために使わなければなりません。常に地球を基準に考え、行動する。そんな意識を持っていれば、創造力が高まります。その輪が広がれば、地球市民の「文化」が生まれます。

 

■脳の力から生まれる行動
私たちの創造性は、脳の力から生まれます。脳の力の強さを決めるのは、行動力です。分かっていても行動できないのは、それだけ脳のパワーが弱いということです。体を動かせるくらい十分に強い信号が脳から送られていないのです。

脳の中の情報が変わると、考えが変わり、言葉が変わり、行動が変わり、運命が変わります。これは運命の方程式です。脳の中の考えを具体化したものが言葉で、その言葉を実践に移したものが行動です。

行動なしには、どんな創造もありません。行動なしには何の変化も起こりません。だから、「ただやる」ことがとても大事です。行動で表現し、習慣にしましょう。恐れるべきなのは、知らないことではなく、知っていることを行動しないことです。分かっていることを実践に移せるかどうかが、創造力を左右します。

 

■原点は「意識」
すべての創造は、意識の世界から始まります。私たちは何か行動を起こすとき、その前にまず考えます。お世話になった友人に手料理をもてなすのは、「感謝の思いを伝えたい」と思うからです。ふらりと旅に出かけるときも、「旅をしたい」という衝動がまず起こっています。思考がエネルギーを引き寄せて物質化し、現実になるのです。

見える世界をつくりだして動かすのは、結局のところ見えない意識の世界です。つまり、強い「意識」が、「行動」という現実の変化をもたらします。こうした意識の力は、すべての人の脳の中に内蔵されています。それに多くの人が気づいていないだけです。

 

■主人としての意識
よりよい地球市民生活のための第一歩も、まずは自分の人生に対して主人としての意識をもつことです。自分の人生に主人意識がない人は、地球にも同じ考えをもつようになります。「地球の問題は誰かが解決してくれるだろう。リーダーや専門家がやるだろう」と受動的に考え、「誰が何をしても、世界は何も変わらない」と悲観的に考えてしまいます。

今こそ、地球で暮らすすべての人が地球市民としての主体的な意識を持つべきです。原油の流出や核実験を防ぐために危険を冒してデモを行う活動家だけが、地球市民の人生を送っているのではありません。家族のために掃除や食事の支度をするお母さんやお父さん、会社で熱心に働く会社員、学校で子どもを教える教師、農家で田畑を耕したり鶏を飼っているおじいさんやおばあさん・・・。誰もが地球市民としての生活をすることができます。大事なのは、私たちにとって地球は家であり私たちのものだという認識です。

 

■新たな文化の誕生へ
地球を中心に考え行動する人が増えれば、新たな文化が生まれます。文化とは創造活動ですが、それは芸術家だけのものではありません。私たちが生きていく人生のすべての瞬間は、創造のチャンスです。不便だと感じることを改善したり、これまでにやったことのないことに挑戦してみたり、従来と違うやり方を試してみたりするのも、すべて創造です。

社会を変え、地球を生かすことができるのは、政府でも産業でも技術でもシステムでもありません。それは各自が選択する生き方です。その生き方こそが新たな文化をつくり、その文化が世界を変化させる力強い力として作用します。

 

■持続可能な地球を取り戻す
一人ひとりがどのような価値を追求し、どのように生きていくのか。それによって、この地球に何を残せるのかが決まります。私たちがよりよい共同体のために「シェア・アンド・ギブ」の人生を選択するなら、持続可能な地球を取り戻すことができるはずです。