河合重征さん(73)は、3年前から地域社会の健康のためにボランティアでブレイン体操を指導しています。地元の福祉に真剣に力を入れている市の社会福祉委員から声をかけてもらったことがきっかけで始めたのだとか。老人介護施設2カ所と知的障がい者施設、計3カ所の利用者とスタッフに月1回、他にもう1カ所のサポートも含めて4カ所で活動しているという河合さんにお話を伺いました。
どんな体操をされていますか?
施設利用者には車椅子の方が多く、認知症の方もいて、運動不足で関節が硬くなっている方が多いです。そのため、座ったままで股関節まわし、腕から腰までの大きな関節を動かせる皿まわし運動、屈伸、軽く全身タッピングなどを行っています。施設のスタッフから、利用者には指の関節の変形で悩んでいる方も多いという話を聞いて、指を動かす運動も取り入れています。私は月1回の指導のみですので、指の運動はスタッフの方々が毎日指導できるように案内しています。これが仕事に役立つようでスタッフの参加も増えています。
参加者の反応は?
利用者はどんどん表情がやわらかくなって笑顔が増え、ブレイン体操の時間を楽しんでいるようです。みなさんが喜んでくださって元気になっていく姿を見るのがなにより嬉しいです。思い通りに動けない方が自力で動こうとしている姿は特に心に響いて勉強になっています。そんな姿を見ると、出来る限り力になりたいという思いがわいてきます。
今後の課題は?
施設の利用者はある意味、恵まれているかもしれません。高齢社会においてよりよい環境をつくるには、政府や地方公共団体の支援のようなシステム的な改善が必要だと思います。私自身は、さらに新規に開拓するつもりですが、自分も人もみんなを元気にできるインストラクターの養成が必要だと思います。これが一番大きな課題ですね。