「人生120年時代」を提案する

2018年3月27日 eco-admin1 0 Comments

世界保健機関WHOの2017年の統計によると、世界の平均寿命は2000年より5年長くなった71.4歳です。医学の発達や生活の質の向上により、人類の寿命が急速に延びています。中でも日本は、2007年に生まれた子どもの半数が107歳まで生きると推測されており、世界一の長寿時代を迎えています。単純な長寿の概念を超え、介護などを必要とせずに健康に活動できる期間を意味する健康寿命においても、日本は74.5歳で世界1位を記録しています。

 

それだけに日本では、国民が持続的に活躍できる社会づくりのために、政府や地方公共団体が質の高い生涯教育と安定的な情報提供に努めています。今や人生100年時代は、日本だけでなく世界的に受け入れられている常識的な概念になっています。

 

しかし、私はそこからさらに「人生120年時代」を提案したいと思います。なぜ120年なのでしょうか? そして、この選択は私たちにどんな変化をもたらすのでしょうか?

 

なぜ120年なのか?

 

人間の潜在寿命については科学者の間でも様々な意見がありますが、概ね120歳が受け入れられています。つまり、体と心をよく管理すれば誰でも120歳まで生きる可能性があるということです。その120歳を自分の寿命と選択し、それに合う人生設計をしようと提案するのです。

 

もちろん寿命は私たちがコントロールできるものではありません。しかし、人生120年の可能性を積極的に受け入れ、さらにはそのような人生を選択し設計することで得られるメリットは少なくありません。

 

まず、体と心の健康を積極的に管理するようになります。運よく長生きできたというのではなく、自分の選択によって自分の人生を経営しながら120歳まで生きるには、健康は基本です。多くの人が120年の人生に負担を感じる理由は、おそらく健康と経済的な負担のせいでしょう。経済的に自立して健康で幸せにやりがいを感じながら生きられるとしたら、120歳を選択しない理由があるでしょうか? このように考えると、健康な食習慣、生活習慣、心の持ちようなどを養うために、より積極的に取り組むようになるのです。

 

次に、長期的に人生を眺め、老年期に対する肯定的な態度をもてるようになります。現在は、ほとんどの人が60歳くらいになると引退を考え、人生を締めくくる準備をします。しかし、120年の人生で見ると60歳はまだまだ旺盛です。60歳を境に前半期、後半期とすると、後半期の人生は衰退期ではなく、前半期の様々な社会経験を土台に、より成熟した完成の人生となる黄金期なのです。

 

最後に、何事にも積極的で主体的になります。120年の人生を選択し、その人生で何をするか悩むなら、何をするにも積極的になります。環境や状況に振り回されるのではなく、活用して変化を作り出していく主体的な人生を送ることができます。

 

「人生120年時代」がもたらす変化

 

私は今年、『人生120年の選択』という本を出版しました。120年の人生を選択したことが、脳の新たな刺激になりました。また、ポジティブ思考や活力となり、生活態度や習慣を変える強力な原動力になっています。私は今68歳ですが、120年の人生で見ると、やっと半分が過ぎたところです。私の脳がこう認識すると時間をリードする感覚が生じ、120年の人生経営のためには、健康管理は基本中の基本になりました。私の脳は、目標を達成するために絶えず問題を探して解決し、より大きな創造性を発揮しています。

 

人生120年の選択は、誰にとっても画期的なターニングポイントになると思います。また、体と心の健康、脳の創造性を高め、最適な状態で充実した日々を過ごせるようになります。そして、体力、心力、脳力を養い、絶え間なく自己啓発をするモチベーションになることでしょう。

 

自己啓発の最高の段階は、人のためになる地球市民スピリットにつながります。次世代のさらなる発展・繁栄のためにという思いが私たちにはあります。誰もが120年の人生を選択し、残りの人生で自分自身と周りの人々、そして人類のために、何ができるか設計してみましょう。知恵を集め、力を合わせて、健康で幸せで平和な人生120年に役立たないシステムなら改善し、よいシステムはさらに機能するように生命を吹き込みましょう。

 

「人生100年時代」は、これまで頑張ってつくってきた環境と言えます。それより20年進んだ「人生120年時代」では、環境をコントロールし、導いていけるようにしましょう。私たち一人ひとりの選択とアクションが精神文明の新たな時代を開いていくのです。

 

一指李承憲(イルチ イ・スンホン)