【地球アレコレ 28】 トルコ4

 

人工物の密度が濃い都市圏。どんな国でも、程度の差こそあれ、人が多いところと少ないところを観ることができます。日本はこのコントラストがとても高い国の一つでしょう。人口密度の低い、自然が豊かなところも多く、国土に占める森林の割合はフィンランドに次ぐ世界第2位です。一方の都市圏、代表的な東京都市圏は各種の統計・調査方法でみても世界でずば抜けて巨大な、つまり人工物密度が濃いエリアだといえます。人口密度や建造物が一定の割合で続く範囲、アーバンエリアでみれば、東京を中心としたアーバンエリアは世界的に稀なほどの広さと人口を抱えています。
(東京よりもアーバンエリアが広いのはニューヨークのみ。ただしエリア内の人口はニューヨークのほぼ二倍)

– 引用 Wikipedia「世界の都市圏人口の順位」 より

インターネットの海外レビューで、東京は電車でどこまで行っても街と商店が続いていて、自然を観ることができない、というような記述がよくありますが、まあさもありなん、です。

 

と、そんなコントラストの高い国から行けば、世界のどの都市であっても良い意味での田舎っぽさを感じてしまうかもしれません。たとえ大きな街であっても、中心地からバスに乗って少し行けば、もう田園があって人が少なくなり、夜であればすぐに真っ暗、となります。逆に言えば、大きな街でも近くに自然そのままの場所がある、といえます。

 

写真は、トルコ第三の都市 イズミールから少し離れた丘沿いにある小さな村。
イズミールは、きらびやかで温和なエーゲ海をはさんでギリシャとの海路もあり、また周辺に大小多くの島々があって多くの観光客で賑わう都会ですが、そこから車でのんびり走って30分もしないうちに、人の匂いよりヤギや羊などの家畜の匂いが強くなり、人々の表情もいくらかのんびりしてきます。

 

夕陽が鮮やかに丘を染めるなかに、ポツポツとある可愛らしい家屋。エーゲ文明の影響が色濃くあり、どの家も漆喰で鮮やかな白に塗られて、夕陽に映えます。そんな場所は静かに時間が流れそうですがそれは極東でのイメージで、実際多くの国では音に対して神経質ではありません。
ブラブラ写真を撮り歩いていると、あちこちから好奇の目が投げつけられ、ついでに大声で呼び止められたりします。その大声に対して周囲の人々は、特に反応することもなく自分の仕事を続けています。

通りをブラブラしていた男の子二人は、ちょっと好奇心をくすぐられて外国人に自分の家を案内してくれました。すると二十歳になるという女性(右の男の子のお姉さん)が窓からニョキッと身を乗り出し、なぜこんなところにいる? どこから来た? トルコ料理は美味しいか? そのカメラは何だ? しばし機関銃のように質問したのち、ダンスは好きか?
あまりに唐突で苦笑していると家に引っ張り込まれ、(といっても日本の昔風の土間のような感じ)当時世界的に流行っていたダンス曲をラジカセから大音量で流し、弟もその友人も一緒に狭い家のなかは一瞬でディスコホールになりました。

 

のどかといえばのどか、そのおおらかさに感心しつつ、極東の文化を染み込ませている当人はすぐに、田舎なのにこの大音量で近所は大丈夫か? 土埃舞ってるけど部屋のなか大丈夫か? 隣人がビックリして来ないか? と機関銃、、、の形をした消しゴムの削りカス程度ですが、心配が湧いてしまうのでした。

 

エネルギーを変え、ただ溶けこんで、また自分の中心に戻る、そんな新しい文化を世の中に浸透させていきたいものです。

 

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