【地球アレコレ21】タイ3

 

タイの人口は約6,700万人。世界で20番目に人口の多い国です。(日本は11番目)

そのうちタイ族は5,000万人ほど、いわゆる華僑の子孫たち(華人と呼ばれる)が900万人強、他にイスラム教徒のマレー系、ヒンズー教徒のインド系、山間部のたくさんの少数民族が混在した国です。

 

世界中で多くの民族紛争や短期的な軍事衝突がありますが、タイも例外ではありません。

かつてケシの製造・密輸で知られたゴールデン・トライアングルはタイ北部、ラオスとミャンマーとの国境付近でしたが、その辺りは多くの国からの闇に生きる人々に加えて、少数民族とタイ族のあいだで多くのゲリラ戦が繰り広げられました。またタイ南部のマレーシアに近いところでは、タイからの分離独立を訴える人々がいて、政治的な緊張がいつもあるところでもあり、タイ東部のカンボジア国境では、近年になっても単発的な軍事衝突があります。国内では、軍部によるクーデターが頻発していて、日本のジャーナリストが騒動に巻き込まれて亡くなったこともありました。

 

とまあ、そうみればイザコザばかりが起きているかのように見える国ですが、少なくともそこに住んでいる人々はただ徳を積む(タムブン)ことでより良く生きようという仏教徒です。国民の約95%が仏教徒で、大声で喋る人々も少なく、どこの街でもおっとりとした印象です。どこでも程度の差こそあれ、緊張感はありますが。

 

さて、仏教は、大きく二つの流れになって世界に伝えられていきました。日本には大乗仏教が伝わり、タイやスリランカで中心となったのは上座部仏教で、歴史が積み重なってだいぶ異なる姿ができました。
タイの主流である上座部仏教が根付いている場所では、寺院がそのまま祈る場所でもあり、僧侶たちの修行の場でもあり、週末には地域の公民館となり、近隣の人々といっしょに供物を持ち寄って僧侶たちとお昼を共に食べたりしています。たいてい、どの宗教も同じく祈る場所の内部は広い空間です。その空間が祈りの場であり、徳を積むための場所、近隣の人々と交流する場所でもあります。もちろんノンアルコールですが。

 

そうした活動は、世界的にどこに行っても、善かれ悪しかれ、必要不要は関係なく、宗教が中心です。祈りはどこでもできますが、今は祈りを捧げる場所以外で祈ると、ポケットから財布が消えていくような時代になっています。

ともあれ、○○教のお寺、教会、そこでおこなわれるのは、世界中で同じようなことでしょう。あまりそうした活動が普遍的でない日本はむしろ特殊な部類かもしれません。でも、宗教が中心ではなく、それを超えた価値観があって、宗教と関係ないそんな祈りの場所、人々が価値観を共有できる場所が、本当に必要なのかもしれません。少数民族であろうと、他の宗教であろうと、軍人であっても政治家であっても、富める人貧しい人、およそ全ての人々にとって、地球、大気、太陽など、絶対的な大きい価値観が必要なことは同じです。

そんな時代の新たな価値観と新たな創造をしていくことが、もしかしたら、ブッダも願っていることかもしれません。チェンジ ユア エナジー!

 

 

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