第11回 『冬の養生法』

 

またまたご無沙汰しているうちに、季節は進み、木枯らし一号が吹き、今年もあと二か月になってしまいました。前回の記事から早三か月。今度は、立冬になってしまいました。11月7日から冬が始まりました。

ということで、恒例の養生のお話は、今回は、冬の養生法をご紹介します。

 

「冬の三カ月は、万物の生活機能が潜伏閉蔵する季節である。だから河の水は氷り、地面は凍って裂ける。この時期には、人は陽気をかき乱してはならない。少し早く眠り、少し遅く起きるべきであり、起床と就寝の時間は、日の出と日の入りを基準とするがよい。心を埋め伏し、しまい隠しているかのように安静にさせる。ちょうど人に話しにくい私情があるかのように。また、すでに秘密をつかんだような愉快な気分で、厳寒を避け、温暖に保ち、皮膚を開いて汗を出すようなことをして、閉蔵している陽気に影響を受けさせてはならない。これがつまり、冬に適応して「蔵気」を養うという道理である。もし、この道理に反すると、腎気を損傷し、来春になって痿厥の病を発生し、人が春の生気に適応するという能力を減少させてしまう」   『黄帝内経素問』東洋学術出版社)

と書かれています。

つまり、冬は静かに暮らし、来るべき春に備えて気エネルギーを貯蔵せよということです。

しっかり睡眠を取り、身体を温かくして、体力的にも精神的にもエネルギーの消耗を控えて蓄えること。しかし、温かさと通り越して暑くなりすぎて、汗をかくのはNGです。汗は、気を消耗します。中庸が大事です。この季節、汗をかくのは控えましょう。

 

これに反すると、春になると手足が萎えたり、のぼせたり、せっかくの春の成長の気運に適応することができなくなってしまうとあります。

 

寒さを乗り切り、良い春を迎えるためにも、この冬はしっかり精充して蓄気しましょう!

 

Comments are closed.