第10回 『秋の養生法』

 

ご無沙汰しているうちに、日中はまだまだ暑いですが、朝晩はだいぶん涼しくなり、秋の虫の声も聞こえてくるようになりましたね。それもそのはず、暦の上では、今年は8月7日が立秋。秋が始まっています。
ということで、今回は、秋の養生法をご紹介します。

 

「秋の三カ月は、万物が成熟し、収穫の季節である。天気はすでに涼しく、風の音は強く急で、地気は清粛として、万物は色を変える。人々は当然早寝早起きすべきである。鶏と同じように、夜明けとともに起き、空が暗くなると眠り、心を安らかに静かにさせて、秋の粛殺の気候の人体に対する影響を緩和させ、神気を収斂して、秋の粛殺の気を和ませる。心を外にはたらかせないで、肺気を清浄に保持しなければならない。これが秋に適応して、「収気」を保養する道理である。もし、この道理に反すると、肺気を損傷し、冬になって食物を消化しきれないで下痢を病んでしまう。人が冬の潜伏閉蔵するという気を適応する能力を減少させてしまうのである」        (『黄帝内経素問』東洋学術出版社)
と書かれています。

 

秋のことを、「容平」を言います。「容」は盛んに受けるという意味。平は平定。秋は、花咲いたものがみな実を結び、平らかに定まることをいいます。
なので秋は、今まで頑張って努力してきたことの結果を収穫していくのに適した季節です。春夏と外に向かっていたエネルギーが、内側へと向かい、収まっていきます。
自分をウォッチングするにもよい時です。

ただし、落ち込み過ぎには注意!!
秋は草木を枯らし、人体の陽気を収める季節でもあります。

心は安らかに保ちましょう!!

 

 

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