【地球アレコレ12】 ベトナム2

 

前回、買い物道についてちょっとお伝えしましたが、(【地球アレコレ11】ベトナム1)今日は売り手の方、言うなれば【売り物道】です。
買い物の黒帯たちが眼光鋭く、でもあくまでもさり気なく商品に目をやって品定めしていくように、売り手の猛者たちも堂々たる待ちっぷり(?) を発揮します。ベトナムに限らず集落には中心となる場所があり、そこで人々が集まって売り買いがあり、おしゃべりが延々と続いたりします。

 

ここはベトナム中部の古都フエから車で1時間ほどの田舎町。もう20年以上前です。
世界的に同じく、ベトナムもまた伝統的な生活様式から現代の文明生活へと急激に様変わりしています。でも、田舎ではそれらが根強く残っていることも世界共通でしょう。

 
さて、生活様式は、その気候風土で育まれ、子孫へと受け継がれてきたものですね。
食事の摂り方、家族との接し方、服装など、あらゆる部分に及びますが、服装とも深い関わりがあるのが姿勢です。歩き方、座り方、振る舞い、動作など…。普段その伝統的生活様式のなかにいたら、みんなが同じなのであまり意識することもないでしょうが…。

 
この三人はベトナムの伝統的な装いをしています。深い菅笠はノンと呼ばれ、南国の強烈な日差しの下で、とても快適な日陰を作ってくれます。また、粗めのシルクや細いコットンで編まれた衣服も、高温多湿の環境下で驚くほど爽やかです。そして、堂々と腰をおろし、自家製の葉巻タバコをゆったりとくゆらせたり、ひまわりやスイカの種をかじったりする振る舞いは、生活様式そのものでもあります。しゃがみこんでいる姿勢でも貧相に見えないのは、背中が丸くなっていないからでしょう。しゃがむ姿勢は親から子へ自然と伝わり、2~3歳の子供でも“ちょこん”としゃがんでいます。伝統的なズボンもしゃがむことが前提となっていて、とてもゆったりとした作りです。どこでも、田舎ほど、生活様式が万事に感じられます。

 
そうした伝統に敬意を払いつつ、またときには感心しつつも、それでも『ビックリ』してしまうことが多々あります。日本でフリーマーケットがあまり馴染みのない頃のことでもあり、集落の広場に売り物をもって、空いているところに「ドーン」と根を降ろすようにしゃがみこんで目の前に売り物を並べることが、とても新鮮に、いえ、あまりにもシンプルな、『売る』ということに驚くことしばし。売り物道の潔さ、といえばいいでしょうか。さらに、幾らで売るか正確に決めておらず(このあたりはフリマでもう一般的でさえありますね)、ちょっとした掛け合いをさり気なくしながら、売手と買手が適当なところに収めていきます。それも、声を荒らげることもなく、かといって馴れ合いでもなく、例えば食事前の「いただきます」と同じくらい生活様式の一部であるかのようにさらさらっと言葉を交わして収めていく。そして売り手は何事もなかったようにポケットにお金を突っ込み、別のポケットからひまわりの種を取り出す。。。
売り物道の黒帯認定!と思わず叫びたくなるのを我慢し、心で拍手、でも相手からすれば、びっくりすることにビックリ&??、でしょうが…。
こちらだって毎日の普通のことに感心されたら、バカにしているのかと訝しむでしょう。

 
もともと、生活していくことはそれ自体が人生で、自分で自分を活かす大事なシーンの連続です。古来の悟りの道では、悟ることよりも如何に生活していくかに比重が多く置かれているように、どのように生きるかという哲学っぽく聞こえる命題は、どんな生活をしていくのかという至極当然かつ普通の問いと同じことです。
この『チェンジ』では、私たちの生活の質をチェンジさせるために、そしてより良く生きていくために、まず心身を繋ぐエネルギーの変化を伝達しています。生活様式が喪われつつある私たちは、伝統に変わる新たなスタイル・価値を求めていて、それは心的・エネルギー的・精神的な領域の価値観であるように思えます。

エネルギー道、もっと大きく人の道「人道」の黒帯になってみませんか?

 

 

Comments are closed.