【地球アレコレ6】 ネパール3

 

ヒマラヤの巨大な山域は、インド亜大陸がユーラシア大陸にぶつかり、なおもユーラシア側へと押しこむように動き続けていくうちに盛り上がって出来た、と言われています。

観測上では今も毎年少しずつヒマラヤは高くなっています。
ここは標高約4400mのペリチェと呼ばれるところ。エベレスト山域の他の地域ではあまり見られない広い平原地帯です。
平原というと、世界有数の観光地・グランドキャニオンも、標高は2000~2600mにあって、その標高でなおかつ平原です。
世界のごく普通の地域ならその高度は山岳エリアで、平地とは程遠い環境でしょうが、地球は本当にバリエーション豊かな、楽しい惑星ですね!

日本の、日本海側のわずかな平地と北アルプス、といった構図とも似ているペリチェには、登山の疲れを癒やしつつも、でも帰り難い、という外国からの旅行者がしばらく滞在することもあります。それも納得の光景ですが、手前の山々にかかる雲の上に見える【何か】が圧倒的過ぎます。感覚的にはあそこは空のはずなのに、という脳の習慣・観念が少しざわめきました。

そこに住む人々と旅人が行き交う細道、周囲の平原で放牧されている家畜、穏やかな昼下がり。ただし、岩なだれの音は関係なく響きます。
遮るもののない平原は時折り遠くからのゴゴゴゴ、という圧縮された空気感と残響が覆い尽くし、周囲の環境の厳しさを思い出させてくれます。
ヒマラヤにかぎらず、そうした岩や堆積物がある一カ所に集まり、隙間を氷が覆って、天然のダムになることがあります。雪解けの水がそこに溜まっては凍結するのを繰り返しているうちに、割と大きなダムとなってしまい、あるとき決壊して下流のやせ細った畑や放牧場に水害を与える。そんなことも温暖化が言われだしたころから頻発するようになりました。
(→ Wikipedia 氷河湖決壊洪水

どこに住んでいようとも、地球規模の変化からは逃れられない時代。
都市には都市の、田舎には田舎の、僻地には僻地の危険が常に有ります。地球全体の大気(特にCO2)が変化しつつあるということは、つまり天候が変化しつつあるということで、気温や降水量、つまり環境全体が変わることでもあります。
それをただ食い止めようとするだけなら、旧時代に戻ろうとすることかもしれませんが、それは多分、無理でしょう。多様な地球の豊かさは、護るのではなく、人間の『進歩したい』という欲求が、工業化や財産の所有量に向けられている現代から、精神が中心の新しい文明時代へと移行するとき、ありのままの豊かな地球がいつでも恵みをくれるようになるのかもしれません。
地球とヒトとの関係は私たちが知らないことだらけで、そこにスゴい恵みが、また希望があるかもしれない、という想いが湧きます。
【母なる大地】それを人類全体で共感できる日は、もう遠くないかもしれません。

 

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