第8回『夏の養生法』

 

以前、ご紹介した『黄帝内経・素問』を覚えてらっしゃいますか?
第1回目の『春の養生法』で登場した古代の東洋医学書ですが、
そこに『夏の養生法』も紹介されているので、それを見ていきたいと思います。
暦の上での夏は、立夏(通常5月6日頃)~立秋の前日(8月8日頃)までの3カ月間をいいます。今年は5月5日~8月7日まで。

「夏の三ヶ月は万物が繁栄し、秀麗となる季節で、天の気が下降し地の気は上昇して、天の気と地の気は上下交わり合い、万物も花開き実を結ぶ。人々は少し遅く寝て少し早く起きるべきである。夏の日の長さ、暑さを厭うことなく、気持を愉快にすべきで、怒ってはならない。花のある植物と同じように満開にさせ、体内の陽気を外に向かって開き通じ発散することができるようにさせるのである。これがつまり、夏に適応し「長気」を保養する道理である。もし、この道理に反すると、心気を損傷し、秋になって瘧疾を発することになり、「収気」に適応する能力が減少して、冬になると再び病を発する可能性がある」(『黄帝内経・素問』p.48東洋学術出版社)

とあります。 *瘧疾(悪寒戦慄と発熱を繰り返す症状)

つまり、
1.少し遅く寝て、早く起きる
2.気持を楽しくして、怒らない
3.体内のエネルギーを外に発散するように、体を動かす

そうしないと、秋になって心肺に不調が生じ、また収穫の季節である秋に気エネルギーを収めることができず、冬に病気にかかりやすくなります。

これからの季節、心楽しく、よ~く活動して、元気に夏を過ごすと、その次の秋冬もよく過ごせますよ^^

 

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