第6回『病因論』

 

今回は、東洋医学で考える病気とはどんなものか、お話ししようと思います。

まずは、病気の反対である、健康な状態とは。
「陰陽、気血、臓腑、経絡などの調和がうまくとれた状態で、ある一定範囲内でその状態が維持できていること」

すなわち、病気とは、その調和が乱れ、自然に元の健康状態に復元できない状態に陥ることと考えられています。

 

病気になる原因として三つ。
1.外因 人体の外部にあって、病気の原因となるもの。六淫。
2.内因 人体の中にあって、原因となるもの。七情。
3.不内外因 日常生活の不注意からくる内因にも外因にも属さないもの。

簡単にいうと、
1.外因とは、自然界の気候の状態が病気の原因となること。
風、寒、暑、湿、燥、火の六つの自然の気が病気の発生原因になる時、六淫といいます。

2.内因とは、七つの人間の精神情志活動を七情といい、正常な生理的な範囲を超え発病の原因になるもの。
七つの感情とは、怒、喜、思、悲、憂、恐、驚の七つをいいます。

3.不内外因には、飲食、疲労、房事(性行動)過多、創傷と虫獣による障害、虫積(寄生虫による病気)、中毒、遺伝などがあげられます。

ほとんどの場合、そのもの事体に問題があるわけではなく、それがある範囲を超えた場合に問題となります。また、それを受ける人体の状態が重要です。同じ刺激でも受ける側によって、発病するか否かが変わってくるからです。

環境、精神状態、生活習慣。

自然とも自分自身とも、バランスを取り、調和的に生きることが健康の源であると、中庸を重んじる東洋哲学では考えます。

 

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