第5回 お彼岸の過ごし方

前回でも少しお話しましたが、お彼岸についてお伝えしますね。

 

『彼岸』とは、仏教用語でサンスクリット語に由来していて、悟りの世界のこと。ちなみに迷いや煩悩に満ちたこの世を『此岸(しがん)』といいます。
彼岸は西、此岸は東にあるとされており、太陽が真東から昇り真西に沈む春分と秋分は、西方の極楽浄土に通じやすくなるとされ、太陽を礼拝したのが彼岸の始まりだそうです。

 

後に、その浄土、つまり悟りの世界に渡るために、春分と秋分を中日とした前後3日間、その一週間で6つの修行をして、善事を行い、中日に先祖を供養する期間になりました。

その6つの修行が六波羅蜜といいます。
1.布施 分け与えること
2.持戒 戒律を守ること
3.忍辱 耐え忍ぶこと
4.精進 努力すること
5.禅定 特定の対象に心を集中して、散乱する心を安定させること
6.智慧 真実を見抜く力を働かせること

ちなみに、波羅蜜とはサンスクリット語で、「究極最高であること」「完成した状態」のこで、そのため「彼岸(悟り)に至った」と解釈されています。

 

また、「彼岸」は「日願」とも通じ、太陽礼拝をし、春分には豊作を願い、秋分には収穫に感謝する自然信仰とも結びつき、広く民衆に定着したとも言われているようです。

 

お彼岸はお墓参りの先祖供養をし、牡丹餅を食べる時くらいの認識しかなかったので、修行の期間だったと初めて知ったときは、改めて、古来より人々は悟りを求めて修行してきたんだなあと思いました。

今年のお彼岸は、少し心を正して修行して、お迎えしてみてはいかがでしょうか。

追記
前出の牡丹餅ですが、一説には、春分に食べるのが、『牡丹餅』。
秋分に食べるのを、『おはぎ』と呼ぶそうです。

 

 

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