第1回 『春の養生法1』

 

東洋医学では、人も自然の一部(天人合一)で、自然のリズムに従っていると考えられています。そのため、春夏秋冬の四季(気)というリズムに合わせることが、心身と健康につながるとされます。古くからの養生法(『黄帝内経・素問』の「四気調神大論篇」)にも記されています。

今回は、そのなかから、春の養生法をご紹介しますね。

 

「春の三カ月は、万物が古いものを推し開いて、新しいものを出す季節であり、天地の間の生気が発動して、ものみなすべてが生き生きと栄えてくる。人々は少し遅く寝て少し早く起き、庭に出てゆったりと歩き、髪を解きほぐし、体をのびやかにし、心持ちは活き活きと生気を充満させることだ。すべてを生かして、殺してはならない。与えて、奪ってはならない。讃えて、罰してはならない。これらすべて、春の気に応じる養生の道である。これに逆らえば、肝を傷つけ、夏に寒性の病を生じ、夏の盛長の気に適応する力を弱めてしまう」と書かれています。

春には、心身とも古いものをデトックスして、新しいスタートを切り成長していくのに適した季節です。自分の中で芽吹いたものを大切に育てていきましょう。

 

そのためのキーワードが上記にあるように、

ゆったり、いきいき、のびのび

 

急に動きすぎたり、無理をしすぎたりすると、逆効果。気の流れが滞り、イライラして怒りっぽくなったり、反対に鬱々したりします。

 

春の気の上手に乗って、心も身体も健康に過ごしましょう。

 

次回は、具体的な養生法をお伝えします。

 

 

Comments are closed.